対談インタビュー

栄町の魅力を30%アップさせることを目標に、「4つの改革」の他に、「こんなことに挑戦したら、もっと栄町の魅力が多くの人に伝わるんじゃないか」という構想について、栄町議会議員の岡本まさみちさんと対談させて頂きました。

交通の便の改善が急務!

岡本「栄町の改革案として、岡部さんは『4つの改革案』を提示しています。その内容について詳しく教えて下さい」 

岡部「一つ目は安食駅を中心にしたバスの運行改善です。成田空港の発着回数が数年以内に3万回から5万回に増えて、成田市や富里市、佐倉市だけではなく、栄町からも空港勤めの人が増えることが予想されています。安食駅から成田空港への直行バスの運行も求められており、インフラを整備することが栄町への転入者を増やすことにつながります」 

岡本「そのような事情があって、安食駅を選ばれたんですね」 

岡部「他にも事情はあります。2017年に行われた町民意識調査報告書によると、栄町に対する不満で一番多かったのは『交通の便が悪い』という意見でした。約8割の人が鉄道やバス、道路に対して不満を抱えており、それが栄町に住みたくない理由として、一番多かったんです」 

岡本「特に若い人の不満は大きいと思います」 

岡部「町民意識調査報告書によると、公共交通等の利便性の向上について、『安食駅から成田方面へのバス運行の実施』を希望する町民の声が7割を超えていたんです。安食駅から成田駅は電車で2駅ですが、一旦、竜角寺台を経由するよりも、バスに乗って直通で成田駅に行きたい人が多いのではないかと思ったんです」 

岡本「バスの運行本数を増やすことはとても難しいことです。ただでさえ、栄町は人口減の町なので、乗降者数を増やさない限り、バスの本数を増やすことは難しい取り組みと言えます」 

岡部「おっしゃる通りです。だけど、諦める前に、いろいろやれることがあるんじゃないかと思っています。たとえば、静岡県御殿場市は市民に対して『路線バスを年3回利用しよう』と呼び掛けたり、小学生向けに『バス教室』などを開催したりして、バスという乗り物に対して、身近に感じてもらう活動を積極的に行って、バスの利用者数を増やしています。また、熊本県では2019年9月14日に『県内バス・電車無料の日』を実施して、一時的ですが、バスや電車の利用者数を2.5倍まで増やしたそうです。小さな取り組みだとは思いますが、期間限定で少しずつバスの利用者を増やしていけば、栄町の交通の便も改善していくのではないかと考えています」 

岡本「少子化でバスの利用者も減って、運転手も不足しているので、町の交通の便の悪化は全国各地の大きな課題になっていますからね。私たちも他人事とは思わず、もっと真剣に、バスの運行を増やす取り組みをしていかなければいけないですね」

岡部「竜角寺台のバスの本数も年々少なくなっていますからね。もし、途中の大谷津球場にバスの大型車庫ができたら、竜角寺台のバスはさらに本数を減らされるのではないかと思っています。そうなると、竜角寺台の交通の便はさらに悪くなり、人口減に歯止めがかけられなくなります」 

岡本「交通の便の改善は、栄町にとって急務と言えますね。そこを解決しなければ、子育ての施策も、高齢者の支援もできないですからね」

岡部「今あるバス路線とドラムバス、スクールバスを統合再編して、新たな交通インフラを作る必要があります。さらに路線が行き届かないエリアには、事前に予約して、複数人で乗り合い、それぞれの目的地に行く『デマンド交通システム』を導入して、交通の便の改善ができればと思います」 

岡本「デマンド交通システムに関しては、すでに富里市で導入されていますからね。実現性は高いと思います」 

岡部「安食駅からのバスのアプローチをもう少し良くすれば、安食駅周辺だけでなく、酒直、北辺田、布鎌の交通の便も改善していくと思います。交通の便の改善と人口増の施策は両輪だと思っているので、少しでもバスの本数が増えるきっかけづくりができればと思っています」 

免許を返納してもお年寄りが幸せに暮らせる町づくり

 岡本「二つ目の改革案を教えてください」 

岡部高齢者の買い物、病院への移動手段の支援です。車の移動が主となる栄町に住んでいると、免許を返納した後の生活に不安を覚えてしまう人が少なくありません。実際、町民意識調査でも、栄町に対して『高齢者が生活する場所として、やや不満、不満』と回答した人が、60代や70代よりも40代の人のほうが多いという結果になっています。これから長く栄町に住もうと思っている人のほうが、老後の生活に対して大きな不安を覚えていることがこの調査からも浮き彫りになっています」 

岡本「解決策はあるのでしょうか」 

岡部「2022年から竜角寺台自治会でスタートした『送迎支援サービス』を、栄町全体に導入できれば、状況は少し変わっていくのではないかと考えています。スーパーや病院に行きたい「利用者」と、それらの人を自家用で送迎する「支援者」をマッチングするサービスで、年間100件以上の申し込みがあります。この仕組みに関しては、スムーズに栄町に導入できるのではないかと考えています」 

岡本「一つ目に掲げたバスの交通手段の改善と組み合わせれば、大幅に栄町の交通の便は改善していきそうですね」

岡部「一部の都市部を除けば、全国の多くの市町村が交通手段の悪化に頭を抱えています。栄町が全国に先駆けて、交通手段の改善に成功した町になれるぐらいの覚悟で、交通問題には取り組んでいきたいと思っています」 

ホームページやSNSを活用して子育て情報の発信

 岡本「三番目の改革案を教えてください」

岡部ホームページやSNSによる情報発信の強化です。町民意識調査報告書によると、『充実して欲しい情報入手手段は『広報さかえ』に次いで、『町のホームページ』が2位に位置しています」 

岡本「町のホームページを見たい人が多いんですね」 

岡部「ところが、『ホームページを見たことがありますか?』の問いに対しては、『見たことがない』と回答した人が約4割を占めていました。つまり、『ホームページで町の情報を収集したいけど、見てもどうせちゃんとした情報が載ってないんだろう』と、町のホームページに対して期待していない人が多いのが現状なんだと思います」 

岡本「今の栄町のホームページは、ちょっと分かりにくいところがありますからね。LINEによる情報発信は非常によく頑張っているんですが」 

岡部「町民意識調査報告書では、『地域活動に参加しない理由』の21.3%が『活動に関する情報がない』と回答しています。でも、これは裏を返せば、ホームページやSNSで、ちゃんと情報さえ発信すれば、地域活動に参加する人を増やす伸びしろになるのではないかと考えています」 

岡本「自然災害が起きたら、地域内の情報共有が命綱になりますからね」 

岡部「ただ、お恥ずかしい話、私自身、ホームページやSNSには詳しくないので、どのようにネットを活用すれば、町民に対して有効な情報を発信することができるのか専門的な知識を持ち合わせていません。だからといって、町の発展には必要不可欠な取り組みなので、町内に住むネットの知識が豊富な方の協力を得て、ホームページの改善やSNSによる情報発信に力を入れていければと思っています」 

「ペットに優しい町」で転入者を増やしたい

 岡本「四つ目の改革案を教えてください」 

岡部ペットと飼い主が住みやすい町づくりです。栄町には昔からワンちゃんやネコちゃんと暮らしている飼い主さんがたくさんいらっしゃいます。もしかしたら、これって栄町の大きな財産になるのでは? と考えたんです。飼い主の皆さんと動物たちに、何かしら喜んでもらえるサービスを提供することができれば、町全体が明るくなると思うんです」 

岡本「具体的に、どのような取り組みを考えていますか?」 

岡部「期間限定でもいいので、栄町のどこかにドッグランが開設できれば、ワンちゃん好きの人たちが集まって、面白いイベントができるのではないかと考えています。他にも空き家を活用してネコちゃんと一緒にお茶ができるようなカフェを開設したり、無料しつけ教室、譲渡会などを開催したり、ペットに関する企画は、思いのほか打ち出しやすいのではないかと思っています」 

岡本「ペットに優しい町という評判が、少しでも口コミで近隣の市町村に広まれば、栄町に引っ越してくる人が増えるかもしれませんね」 

岡部「町の活気には“ムード作り”が大切だと思っています。何かに力を入れて活動をしていたり、住民が楽しそうに暮らしていたりするような、そんな明るいムードが栄町から情報発信できるようになれば、町の行政や住民の気持ちも、前向きになって、明るくなっていくのではないかと思っています」

4人に1人が「栄町に住みたくない」?

 岡本「これら4つの改革案を実施して、栄町の魅力を30%アップするというのが、岡部さんの目標なんですね」 

岡部「本当は3つの改革案に絞って、それぞれ10%増しぐらいで改善すれば、30%に達するのではないかと安直に考えていました(笑)。でも、10%って思いのほか高い数字目標だと思って、それであとひとつ改革案を加えて、それで7~8%増しぐらいで改善すれば、なんとか30%の魅力度アップに成功するんじゃないかと考えて、少し打算的に4つの案を考えてしまったところがあります」

岡本「でも、どれも面白いアイデアだと思います。実現不可能な改革案ではないですし、目標も具体的で、とても分かりやすいです」

岡部「少し深刻な話なんですが、町民意識調査報告書によると、栄町に『住みたくない』『できれば住みたくない』と回答した人は、23%に達しています。つまり、4人に1人ぐらいは、栄町から出ていきたいと考えていることになります」 

岡本「耳の痛い話ですね」 

岡部「このまま何もしなければ、どんどん栄町に住みたくない人が増えて、人口減に歯止めがかからなくなります。栄町が今、やらなくてはいけないことは、町の魅力づくりであり、人口を増やす施策だと考えています」 

岡本「人口が増えれば、税収が潤って、いろいろな施策が打てるようになりますからね」 

岡部「私は以前から、栄町の潜在能力はもっと高いと思っているんです。印西市と成田市の両方にアプローチしやすい立地で、それでいて土地も安価で、自然にも恵まれています。それにこれからの時代は住宅にお金をかける時代ではなく、日々の生活を充実させるためにお金を使う時代です。栄町に住んで、週末は成田空港からLCCで北海道に遊びに行ったり、成田駅から成田エクスプレスに乗って東京に買い物に行ったり、そういう充実した休日が過ごせるようになるのが、栄町の魅力だと思うんです」 

岡本「印旛沼や霞ケ浦でバス釣りをしたり、九十九里浜にサーフィンをしたり、筑波山に登山に行って、東京ディズニーランドに1時間ちょっとで行けるという立地条件だけでいえば、成田市や印西市よりもレジャーに適した町と言えそうですね」 

岡部「だけど、その魅力を十分に伝えきれていないのが、栄町の住民として、とても歯がゆいところだったりします。23%の人が『栄町に住みたくない』と言っている町ですが、その人たちの気持ちをひっくり返すぐらいの覚悟で、栄町をガラリと変えていきたい思いは強く持っています」

空き家の活用と安食駅前の活性化

 岡本「4つの改革案の他に、何か取り組みたい施策はありますか」 

岡部安食駅前の活性化です。ドラッグストアができたことで、やや賑やかになりましたが、もう少し駅から降りた時に、買い物ができるようなお店があったり、電車が来るまでゆっくりできるようなカフェがあったりしたほうが、駅周辺が明るくなるのではないかと思ったりしています。起業の支援だったり、チャレンジ店舗の誘致だったり、若い人たちが栄町でビジネスができるような機会を増やすことができれば、安食駅の駅前ももっと活気づくのではないかと思っています」 

岡本「人口を増やす施策としては、何か考えていらっしゃることはありますか」 

岡部栄町にある空き家を、もっと有効的に活用する方法があるのではないかと考えています。リフォーム会社や不動産会社と提携して、もっと積極的に栄町の中古物件を紹介することができれば、若い家族が栄町に引っ越してくると思うんです」 

岡本「それは面白いアイデアですね」 

岡部「成田方面のファミリーマートの先にある成田市上福田、下福田のところに、総面積46万平方メートルの大型物流施設が2029年に稼働する予定になっています。そこで多くの雇用が生まれることになれば、竜角寺台を始めたした栄町の人口は増える可能性が十分にあると考えています。印西市から栄町を通り、空港まで抜けるバイパスも開通したので、栄町はここ5年間が、人口を増やすチャンスだと思っています」 

岡本「ここで指をくわえて見ているだけだと、さらに人口減が加速していきそうですね」 

岡部「これが最後のチャンスだと思って、もっともっと栄町の行政に関わっていきたいと思っています。自分の掲げる目標が達成できるのは何年先になるか分かりませんが、自分の栄町に対する思いが、後世にしっかり伝えていけるような、そんな活動をしていきたいと思っています」

 岡本「本日は貴重なお話を聞かせて頂き、ありがとうございました」